2013年9月30日月曜日

僕の夏休み ~概要、作業編~

前回のブログ更新から大分時間が経ってしまいましたがやっと更新です。
元石崎の増田です。

自分の通っている大学では毎年一か月くらいしか夏休みがありません。
どうして一か月しかないのかと学生支援課に聞きにいってもわからないと言われました。
仕様のようです。

まぁひどいことに一年次はこの一か月少々の夏休みに一か月の航海実習とやらがあります。
それで夏休みは丸つぶれです。
今回は夏休みを潰した憎き航海実習についてお話ししようとおもいます。


そもそも航海実習とは何ぞや?
この大学は船乗り養成学校なので入学した生徒のちょうど半分は船乗りの資格である「海技士」の資格を取ります。しかしこの資格、一年間分の乗船履歴が必要でして一年生から三年生まで一か月づつ、四年生になって三か月の乗船をします。
そして残りの六か月間大学卒業後にまとめて航海します。

ってことで僕たち一年坊主は一か月の乗船を行ってきました。

今回乗った練習船、『大成丸』
これが結構大きくてかっこいい。(全長124メートル)

ルートは大雑把にいうと
東京→(青森を周って)→新潟→下関→神戸
といった感じです。

こんな航海どんなことを行ってきたのかポイントごとに紹介します。

何をしたのか?
船乗りの資格を取るための実習と授業です。
航海中は船を操縦する航海士のための実習である「デッキ」と船を管理する機関士のための「エンジン」の二部門を交互に行い、停泊中は船内にある教室で授業を行います。

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まずは「デッキ」
これは主に船橋(操縦室みたいなとこ)での実習になります。なので基本的にはデッキ(甲板)より上にいるのですが船の下のほうにいる機関部との区別としてこう呼ばれています。
↓船橋
仕事は
↓地図作業

↓watchkeeping

















↑この緑の双眼鏡、本当は外に設置して使うもの。手で持つとめちゃくちゃ重い。

















 ↓方位の確認

ほかにも操舵のような「the 船乗り」みたいな作業もあったのですがなぜか撮り忘れました。
ちなみに写真に写っている緑の双眼鏡はウン万円するそうです・・・
あとになって知りました。
写真は友達に作業後にこっそり撮って貰いました。

作業内容はみなさんご想像の通り船乗りっぽい仕事です。
〇レーダを見てほかの船がどこにいるのか調べたり
〇GPSやクロスベアリングで現在位置を地図に書き込んだり
〇気温気圧湿度天候を調査したり
〇双眼鏡や肉眼で海面の状況を確認したり。

天候がいい日だとすごくのんびり楽しくやれます。
マンボウやトビウオやクラゲは何匹も見ましたし、たまーにサメの小さいようなのがいたり、海鳥と並走して間近にその姿を確認できます。
また夜になれば星空がキレイに見えたりと結構おいしいです。

ただそれは天候が良ければの話です。ちょっと波の立つ日では戦場になりかねません。
船橋は高いところにあるので揺れはもちろん大き目に感じることになります。
人によってはバケツに抱きつき続けることに。
僕は人生で一度も乗り物酔いしたことがないような人間ですので全然大丈夫でしたが、船橋中に響き渡る液体がバケツにドボドボと入る音や、喉から発する派手な音には心底うんざりさせられました。

船酔いって辛いんだなと心から同情しました。

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お次はもう一つの部門「エンジン
僕の所属学科は将来的にはこちらが専門になります。
こちらの作業は
〇エンジンルーム(E/R)内を周って異常な音を出す機械がないか調べる
〇ボイラーの点火、タービンの始動などの航行準備
〇E/R内の機器の状態の記録
〇船内空調機器の管理
が航海での仕事になります。
こちらの部門は本来航海中にいろいろと仕事をすることはないようで基本的には点検保守。
一応実習なので作業はしましたがわかりやすいデッキと違い何やってるのかさっぱりです。

特徴は熱い事と暑い事。
E/Rは基本的に暑いものなのですがこの船の「蒸気タービン」というシステムのエンジンは本当に暑い。近くで300℃を超える高圧蒸気が流れているので容赦なく暑い。
行動の基本となる制御室のフロアで40~50℃くらい。一番暑い場所で75℃くらいの気温になります。
そんな中、長袖長ズボン、ヘルメット着用で6階建て(ボイラーは縦に長いので)を上ったり下りたりします。
おかげさまで35℃くらいの場所に移動すると涼しく感じてしまうという。

メリットはごちゃごちゃと並んだ機械を眺め、配管を追うのが楽しいということ。
この凄さを写真で伝えたかったのですが携帯など持ち込もうものなら絶対に壊れるので一枚も写真が撮れませんでした。

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出来ればもっともっと書きたいことがあるのですが記事が長くなりすぎるのでこの辺で「概要、作業編」を終わります。
次回は船内生活とかについて書きます。
お楽しみに。

1 件のコメント:

  1. まだまだ世の中には知らない世界があるね。

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